2、自律神経の働きとメカニズム
自律神経とは心臓、胃腸、肝臓、ホルモン、体温など自分の意志ではコントロールできない器官を調節している神経で、交感神経と副交感神経の二つの神経からなり、この二つの神経を自律神経といいます。
交感神経‥(活動するための神経)
「交感神経」は、心臓の鼓動や血圧を上昇させるなど、興奮作用に関係しています。例えば人前で話をするときは緊張し心臓がドキドキしますよね。
これは交感神経が優位に働いたことによる仕業です。また嫌な出来事や、ストレス、過労に対しても交感神経はよく作用します。そのため交感神経は活動するとき優位に働く神経、エネルギー消費の神経いえます。
副交感神経‥(回復するための神経)
「副交感神経」は、落ち着きを促すリラックスや休む時に優位に働く神経で、交感神経とは反対の作用を促します。興奮している状況を抑え休息や睡眠、食事をしているときには消化がスムーズに働くよう胃腸や肝臓などの活動を活発にしたり、さらに大切な働きとして身体の修復、エネルギーを蓄えるなど、人間が生きていく上での元気の源に関係しています。
そのため副交感神経は休息、身体回復のために働く神経といえます。その他免疫や内分泌(ホルモン)に関係の深い重要な神経なのです。
自律神経の特徴は自分の意志では動かすことができない器官の調整を、自律神経が受け持っている点です。また自律神経はどちらか一方だけが働いているのではなく、状況に合わせてお互いが絶妙にバランスを取り合っているおかげで普段私たちが日常生活をおくることができているのです。
からだと精神のパイプ役(ストレス、仕事、家事、介護、子育て、無理を重ねてしまうと・・・)
人間のからだには常に一定の状態に維持しようとする働きがあります。たとえば日常生活で「今日は暑いな~」や「寒いな~」と認識するとそれに合わせて、視床下部から自律神経に指令を出し、外気温の上下に対して体温を一定に保とうとする働きをします。(この一定に保つ働きをホメオスタシスといいます)
またホラー映画など怖い場面では心拍は激しくなりますが、落ち着いた場面になると心拍は緩やかになります。これも精神の状態が自律神経を介して身体に作用を及ぼしている例です。その自律神経が、心労や過労などストレスの度合いが個々の許容範囲を超えてしまうと自律神経の働きが不安定になり、心とからだのバランスが乱れ、体の様々な部分に不調が現れてくることがあります。
|