毎日の元気が一番。腰痛館の佐藤です。
先週、メンテナンスで来られた60代の女性との会話で、こんなお話がありました。
「スマホで韓流ドラマを観るのにハマってしまって…」
「わかっているけど、ついつい一気観してしまって、その後、あっ首、痛っ!」
推しがあるって、とても良いことです。
ただ、夢中になっていると、姿勢のことをつい忘れてしまいますよね。スマートフォンは、いまや生活の中心にある便利な道具です。
しかしその一方で、首の痛みや強い肩こりを訴える人が急増していることは、健康番組などでご存じの方も多いと思います。
では、スマホの使い過ぎは本当に首に影響があるのでしょうか?
科学的データと研究から“スマホ首”の影響
📘 代表的な研究:2014年「スマホ首の負荷」
ニューヨークの脊椎外科医 ケネス・K・ハンスラージ医師 は、「スマホを見る姿勢が首にどれほど負担をかけるか」を世界に広めた研究者です。
2014年に発表した研究では、スマホを見るときの 首の角度によって、首にかかる重さが何倍にも増える ことを数値で示しました。
この研究は世界中で引用され、「スマホ首」の危険性を広めた代表的な論文です。

約15度傾けると、お米の袋10㎏を首で支えているような負荷がかかります。それでも支えてしまう人間の身体は、本当にすごい仕組みです。
📌 オフィスワーカー1,602人を対象としたコホート研究(横断報告)2021
また、別の研究では、オフィスで働く1,602人を調べたところ、3人に1人が首の痛みを感じていることがわかりました。
さらに、スマホを長時間使いすぎている人は、首の痛みが出る可能性が約6倍も高いという結果でした。
加えてスマホの使い過ぎは
- 不安
- ストレス
- 気分の落ち込み(うつ症状)
などの心の負担とも関連があることも示されています。
スマホを見るときは、どうしても首が前に倒れやすく、特に夢中になっていると、自分では気づかないうちに首が前に出てしまいます。その姿勢が続くと首や肩周りの筋肉や神経に大きな負担がかかります。
🛡️ 首を守るためにできること
- スマホを少し高めに持つ
- 長く見続けず、ときどき首や肩周りを動かす
- 寝ながらのスマホは避ける
他にもちょっとした工夫で、首の負担はぐっと減らせます。
スマホは楽しい時間をくれる便利な道具です。
だからこそ、首をいたわりながら、上手に付き合っていきたいですね。
参考文献
Hansraj, K. K. (2014). Assessment of stresses in the cervical spine caused by posture and position of the head. Surgical Technology International, 25, 277–279.
Derakhshanrad N, Yekaninejad MS, Mehrdad R, Saberi H.
Neck pain associated with smartphone overuse: cross-sectional report of a cohort study among office workers.
European Spine Journal. 2021;30:461–467.

