🌿 軟骨だけでは説明できない“ひざの世界”

膝の痛みは、年齢を重ねた多くの方が感じる身近な悩みです。
「もう歳だから仕方ないのかな…」と思ってしまうこともありますが、痛みの原因には実際にはいろいろな理由があります。

たとえば、

  • 年齢による軟骨の減りと変形性ひざ関節症→ご存知の方も多いと思います。
  • けがによるじん帯・半月板のトラブル・関節周囲の組織の変化
  • 関節リウマチなどの炎症、その他の重大な疾患が関係するもの
  • 痛む場所の違い(内側・外側・お皿の上下など)

こうした点から、痛みが長く続くときや、腫れているように感じるときは、重大な疾患が隠れている可能性を考えて、一度病院での検査をお勧めします。受けてみると安心につながります。

イメージです

🌱 なぜ膝が痛くなるのか海外でも研究

昔は「軟骨がすり減ると痛くなる」とよく言われていました。
ところが最近では、「いくつかの研究で、軟骨がすり減って変形していても痛みがない方がたくさんいる」という結果も報告されています。

この“ひざの不思議”を調べた研究として、

  • 世界中の研究をまとめた Fransen らの国際レビュー(2015年)
  • 松代ひざ検診:新潟県で28年間にわたり行われた大規模調査

などがあります。

🌿 世界でも日本でも共通している「ひざ痛の原因」

これらの研究から、膝の痛みには以下の3つの要素が深く関わっていることがわかりました。

① 太ももの筋肉が弱くなる

膝を支える力が弱まると、関節がぐらつき、痛みの元となる炎症が起きやすくなります。
松代ひざ検診でも、
太ももの筋力が弱い人ほど、数年後に痛みが出やすい ことがわかっています。

② ひざの“ぐらつき”が炎症を起こす

歩くたびに膝が外側に「ガクッ」と揺れる動き。
この揺れが積み重なると、関節の中に炎症が起こり、痛みにつながることがあります。

③ ひざへの負担が積み重なる

  • 世界では 体重が増えること(肥満) が大きな原因
  • 日本では しゃがむ動作・重い荷物・和式生活 の日本特有の生活様式などが負担に

どちらも、ひざにかかる負担の積み重ね が痛みの原因になります。

つまり、「軟骨がすり減って変形している=痛い」とは言い切れないというケースがあることが分かってきました。

🌼 少しでも膝の痛みへのやさしい対策

  • 太ももの筋肉をゆっくりコツコツと鍛える
    (イスに座って足を伸ばすだけでもOK)ただし、痛さをガマンしておこなうのは禁物です。
  • 無理のない散歩
    気持ちよく歩ける速さで大丈夫です。
  • 朝や夜に軽くストレッチ
    朝晩の軽い運動で膝周りのこわばりをほぐしましょう。
  • 生活上の工夫
    ほんの少し体重を意識したり、しゃがむ動作を減らすだけでも負担が変わります。
イメージです

🌼 病院で「やれることはない」と言われた時には「腰痛館」へご相談ください。

病院の検査で「『年齢的なものだから病院でこれ以上やる事は無いです』と言われたけれど痛みが続く……どうしたらいいだろう」と不安になることもございます。

そんな時こそ、全身のバランスを見る私たちの出番です。ひざの痛みの原因が、実は腰や股関節、足首のクセにあることも少なくありません。

  • どんな動きで痛いのか?
  • どのタイミングで痛むのか?
  • 歩き方、動作のくせ
  • 全身の姿勢のバランス

こうした点をていねいに見ていくことで、膝トラブルの背景が見えてくることがあります。
腰痛館では、お一人おひとりと 二人三脚で改善をめざすサポート をしています。
なかなか良くならない方は、どうぞ遠慮なくご相談ください。

📚 参考文献

  • Fransen ら(2015年)
    ひざの痛みに対する運動の効果をまとめた国際的な研究。
  • 松代ひざ検診(新潟県)
    28年間にわたる調査結果から、ひざの変形や痛みを調べた長期研究。
  • 松代地区の長期追跡研究(J-STAGE)
    日本人のひざの健康を調べた調査報告。