前回の第2弾では、腰痛は骨や椎間板だけでなく、日常生活の習慣や身体の使い方、活動量、睡眠など、さまざまな要因が関係していることをご紹介しました。

今回は、

「MRIでヘルニアがあると言われた」
「椎間板が減っていると言われた」
でも、なぜ痛みがない人もいるのでしょうか?

という疑問について、研究結果をもとに考えてみたいと思います。

イメージ

腰痛で病院を受診すると、MRI検査によって、

・椎間板ヘルニア
・椎間板の変性(すり減りや水分量の変化)
・椎間板の膨隆
・椎間関節の変化
・脊柱管の狭窄

などが見つかることがあります。

このような結果を聞くと、

「だから腰が痛いんだ」

と思われる方も少なくありません。

しかし、実は研究では、

腰痛がない人にも、同じような画像上の変化が見られること

が分かっています。

2015年にBrinjikjiらが発表した研究では、

腰痛などの症状がない3,110人を対象に、脊椎のMRI画像をまとめて解析しました。

その結果、

腰痛がない人でも年齢とともに、

・椎間板変性(椎間板の水分が減り、クッション性が低下する変化)
・椎間板膨隆(椎間板が少し外側へふくらんだ状態)
・椎間関節の変化

などの画像上の変化が増加することが報告されました。

例えば、

年齢椎間板変性椎間板膨隆
20歳代約37%約30%
30歳代約52%約40%
40歳代約68%約50%
50歳代約80%約60%
60歳代約88%約69%
70歳代約93%約77%
80歳代約96%約84%

と、年齢とともに増加していました。

つまり、

MRIで見つかる椎間板の変化の中には、腰痛がない人にも多く見られるものがある

ということが分かったのです。

*研究対象者の20代でも3割の数値にはチョット意外性を感じました(>_<)

もちろん、そのようなことではありません。

MRI検査は、

・骨折
・感染症
・腫瘍
・神経を強く圧迫する病気

など、隠れている疾患や注意が必要な状態を確認するために重要な検査です。

また、画像から得られる情報は、お身体の状態を理解するための大切な手がかりになります。

ただし、

MRIで見つかった変化だけで、現在感じている腰痛の原因をすべて説明できるとは限りません。

腰痛との関係を考えるためには、

・どのような動きで痛みが出るのか
・身体の使い方のクセ
・筋肉や関節の動き
・日常生活や仕事での負担

など、さまざまな情報を合わせて考えることが大切です。

現在では腰痛は、

など、

さまざまな要因が影響し合って現れる症状と考えられています。

そのため、

画像だけを見るのではなく、「なぜその場所に負担が集中したのか」を考えることが大切です。

当院では、医療機関での検査結果も、お身体を理解するための大切な情報の一つとして受け止めています。

そのうえで、

なども含めて、お身体の特徴を丁寧に確認し、

「なぜ、なかなか良くならないのか?」

を一緒に考えながら、より良い身体の状態を目指しています。

MRIでヘルニアや椎間板の変化が見つかると、不安になる方も多いと思います。

しかし、研究では、腰痛がない人にも同じような画像上の変化が見られることが分かっています。

大切なのは、

「画像に変化があるかどうか」

だけではなく、

「なぜ良くならないのか」「なぜその場所に負担が集中しているのか」

を考えることです。

腰痛館では、症状だけでなく、その背景にある身体の使い方や生活習慣にも目を向け、お一人おひとりに合った身体づくりをサポートしています。

「MRIでヘルニアや椎間板の変化があると言われたけれど、なかなか腰痛が改善しない」

「検査では原因がはっきりしない腰痛で悩んでいる」

そのようなお悩みをお持ちの方は、ご遠慮なくご相談ください。

参考文献

Brinjikji W, Luetmer PH, Comstock B, et al.
Systematic Literature Review of Imaging Features of Spinal Degeneration in Asymptomatic Populations.
AJNR Am J Neuroradiol. 2015;36(4):811-816.